
バブル崩壊以降"冬の時代"と言われ続ける百貨店業界。国内百貨店需要の冷え込み、さらには人口減少という構造的な問題にも煽られ、約20年間の売上高は右肩下がり。この数年では生き残りをかけて各社続々と再編に着手してきた状況だ。
2007年9月には松坂屋ホールディングスと大丸の統合で「J.フロントリテイリング」が、同10月には阪神百貨店と阪急百貨店の統合により「エイチ・ツー・オーリテイリング」が誕生。さらに2008年4月には三越と伊勢丹が統合した「三越伊勢丹ホールディングス」が業界首位に君臨した。
そうした業界全体の動き、再建努力の甲斐あってか、都心など一部地域の店舗では売上高がプラスに転じている。百貨店が活気づけば景気底打ちの気配も感じられるというものだが、今後はどうなっていくのか…注目したいところである。
そこでNewsCafeでは「好きな百貨店は?」というアンケートを実施した。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…989件
【1位】伊勢丹(15.5%)
■良い品質の物が数多く尚且つ他百貨店には無い品揃えであるところ![女性/20代/会社員]
■買い物がしやすい。センスの良さはぴか一だと思う。[女性/40代/会社員]
■年代的に商品がビンゴ。東京駅は大丸。他もジャンルにより使い分け。[女性/30代/会社員]
【2位】西武百貨店(11.2%)
■いちばんよく行く。[女性/20代/専門職]
■百貨店にはあまり行かないけど…強いて言えば近くに有るから西武! ライオンズの地元ですから…。[女性/50代/主婦]
■働いてますから。[女性/40代/会社員]
【3位】三越(9.9%)
■やっぱりなんといってもネームバリュー! 別格な気がする。[女性/30代/会社員]
■どれも余り違いがないけど店の前のライオンが好きなので![男性/10代/学生]
■従妹が勤めているから(笑)。[男性/50代/自営業]
【4位】そごう(6.5%)
■徳島にはそごうしかないです。[女性/30代/会社員]
■勤務してるから。[女性/30代/会社員]
■百貨店はあまり安売りしないイメージなのでたまにレストラン利用するぐらいだけど。[男性/30代/会社員]
【5位】東急(3.1%)
■わりと地味なんだけど、入ってるテナントが好みだったり、センスが好き![女性/40代/主婦]
■他の所は殆ど行かない!東急は割と近くに有るので…。[女性/40代/主婦]
■昔から親しんでいるので行きやすい。[女性/40代/主婦]
そして6位以下は【京王(1.5%)】【小田急(1.8%)】【近鉄(2.5%)】【山形屋(1.2%)】という結果に。
1位は女性ユーザーからの支持が集まった「伊勢丹」。3位の三越と合わせると得票割合は2割を超え、業界最大手の強さがうかがえる結果となった。2位には、池袋本店が勢いを見せる「西武百貨店」。2011年度の店舗別売上高は、トップ・伊勢丹新宿本店の約2350億円に次ぐ1764億円超を記録している。
また、その他で多く寄せられたのは高島屋や松坂屋など地方都市に本拠点を置く百貨店を強く推す声。「買いやすいし店内も明るい! ポイント貯まればお買い物券と交換出来る高島屋が一番好きです!」「何故、高島屋や松坂屋が入ってない?」などの意見も寄せられた。また逆に銀座松屋などにも「東京にだけある松屋。限定って感じで良いかな」と地元ファンの声が届いている。
また、思いのほか多く寄せられたのが「この百貨店に勤めているから」「親戚がこの会社で働いているから」など"勤務先である"というコメント。長引く不況下、雇用を生み出すという観点からも、百貨店業界の"元気"が望まれるところだ。
[文・能井丸鴻]
[写・Corey Ann]