
「老いらくの恋」という言葉は、歌人・川田順が「墓場に近き老いらくの、恋は怖るる何ものもなし」と詠んだことから生まれた。昭和19年、川田は、京都大学経済学部教授・中川与之助夫人である歌人・鈴鹿俊子と出会い恋をする。川田は妻を亡くした63歳、一方の俊子は3人の子を持つ36歳だったという。
その後、川田の自殺未遂や俊子の離婚を経てふたりはついに結婚するのだが…川田や中川は世に知られた存在であったため、巷ではずいぶんと騒がれたそうだ。
NewsCafeのアリナシコーナーでは「老いらくの恋…アリかナシか」という調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…67.5%】
■いいと思う。恋愛に年齢制限なんかないよ。
■生きる意欲が湧いてくるなら素敵ではないですか!
■周りに迷惑をかけない事を前提に。単身者のみ。
■同年代同士ならアリ。極端に若い子追いかけるのはナシ。
■恋心は何歳でも。90歳の伯母は30代イケメンドクターの診察日には勝負下着。
■茶飲み友達でも寄り添ってくれる人がいれば生きがいになるよ。
■中高年の再婚は身近で何組か。60代と50代。70代で後添いも。
■親の介護が終了したら、素敵な恋したい~結婚したいです!
■自分もそうありたいね。
■人生が楽しくなれば、それで良し。
【ナシ…32.5%】
■老いたら恋愛をするよりも終活。
■やっぱり世間体を考えると有り得ない事です。みっともない。
■他人ならいいけど親なら迷惑。再婚後介護とか親族トラブルとか。
■家族や周りの人たちに迷惑をかけそう。
■お年寄りの恋愛沙汰ってドロドロになりやすいから…ナシ。
■面倒くさいだけだよ、保険かけられて、一服盛られるぞ(笑)。
■未亡人ですが実際に老いると何かと面倒臭さが先に立ちますよ。
■色惚けは家族に迷惑がかかる! 最終的に戸籍上の妻や子が大変!
■自然体で同じ目線でお互いが必要な…そんな相手がいれば是非!!
■美男美女だったらそっと見守りたい。
結果は【アリ派】約7割と多数派ながら、寄せられたコメントを見ると「周囲に迷惑をかけなければOK」「同年代同士でお互い独りならいいんじゃない?」など条件付きの内容が多い。前述の"元祖・老いらくの恋"川田順の恋愛模様は当てはまらないようだ。一方【ナシ派】にも「その人の立場によってはアリなのかも」と考える人はいた。
そして、両派に共通して寄せられていたのが「何歳から"老いらくの恋"なのかしら?」という疑問。川田順が俊子と結婚したのは昭和24年、68歳の時だったそうだが…当時の平均寿命は男性56.20歳、女性59.80歳とある(厚生労働省「簡易生命表」より)。現代で言えば90歳あたりからが"老いらく"なのかもしれない!?
[文・能井丸鴻]
心だけ、だとしても絶対嫌(笑)