海を越えた鉄道「欧亜国際連絡列車」…

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        海を越えた鉄道「欧亜国際連絡列車」 新たに「日本遺産」へ認定 その狙いと背景を聞いた

日本の個々の文化財をストーリーでつなげパッケージ化されたものを文化庁が認定する「日本遺産」には、鉄道も含まれています。2020年度に認定された、かつての東京~ヨーロッパ間の「欧亜国際連絡列車」について、担当者に話を聞きました。



「日本遺産」は鉄道関連も認定



 2020年6月19日(金)、文化庁から令和2年度「日本遺産」の認定結果が発表されました。日本遺産は、文化庁が2015年に始めた事業です。 従来、歴史的、芸術的に価値が高い有形文化財は「重要文化財」、遺跡は「史跡」などとして個々に認定がされてきましたが、日本遺産ではこういった枠組みを超え、それらひとつひとつを「ストーリー」という形式でつなぎ、「パッケージ化」している点、また、ときには市町村の垣根を越えて、ひとつの日本遺産を申請している点が特徴的です。本年度までに104件が認定され、これをもって当面の募集は終了しました。



 日本遺産に認定されたストーリーや構成文化財などは、ポータルサイトで確認でき、ジャンルが多岐にわたっていることが分かります。見逃せないのは、104件の日本遺産のなかに「鉄道」が軸となるストーリーがいくつか存在している点です。 たとえば、高知県の「森林鉄道から日本一のゆずロードへ─ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化─」では、かつて林業が盛んだったことから敷設された森林鉄道「魚梁瀬(やなせ)森林鉄道」の跡が、現在は日本一の栽培量を誇るゆずの畑が広がる風景へと変化していくストーリーとして構成され、森林鉄道の施設などが構成文化財に含まれています。 また、北海道の「本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命『炭鉄港』~」では、北海道の石炭、鉄鋼、港湾と、それらをつなぐ鉄道でストーリーが構成されています。



福井・滋賀の「海を越えた鉄道」認定に関する話を担当者に聞いた



 最後の募集となった2020年度も、鉄道にまつわる日本遺産として、福井県、滋賀県の「海を越えた鉄道~世界へつながる 鉄路のキセキ~」が認定を受けています。本ストーリーは、明治から昭和の時代にかけて物流の要であった北陸本線、さらにはその後、東京の新橋から現在の敦賀港、ロシアのウラジオストクを経由して、ヨーロッパまで渡航できる「欧亜国際連絡列車」の歴史を中心に構成されています。



 ところで、日本遺産認定にはどういった狙い、期待などがあるのでしょうか。「海を越えた鉄道」を担当した南越前町役場観光まちづくり課の西田周平さんによると、申請の背景には、(1)広域での観光事業の展開、(2)鉄道遺産の認知向上、(3)地域活性化――などがあったそうです。また、実際に申請する際は、「鉄道遺産というコアな内容の申請ストーリーを、どのように万人受けする内容にするか」という点で非常に苦労したとのことでした。 福井では2023年に、北陸新幹線の敦賀駅開業を控えています。西田さんは、「日本遺産選定を機に、特に関東圏の観光客誘致に期待をするとともに、観光事業にも積極的に活用していきたい」と教えてくれました。 日本遺産は、駅舎や橋梁といった施設、設備単体ではなく、その地域の歴史などとのかかわり方をストーリー形式で教えてくれます。鉄道をはじめとした日本遺産を調べてみると、旅の楽しみや目的地探しの参考にもなることでしょう。

乗りものニュース

まぁ飛行機が無い時代の古き遺産なんだろうね?
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