ストレス緩和、睡眠の質改善、体脂肪低下も!?

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ストレス緩和、睡眠の質改善、体脂肪低下も!?40・50代が積極的に飲むべき「万能ドリンク」は?1杯で「注意力」「判断力」をアップさせ認知症予防にも【伊藤園研究所部長と健康医療ジャーナリストが解説】

「とにかく元気が出ない」「よく眠れない」「なかなかやせない」「アレアレ、名前が出てこない」……読者世代は、心や体の健康面で低空飛行になることが少なくありません。そこでオトナサローネでは、伊藤園が主催した『最先端 抹茶サイエンス認知症予防と共生の新たな一歩』と題したウェルネスフォーラムに登壇されていたお二人に取材。まずは、株式会社伊藤園研究所 担当部長の瀧原孝宣さんに、ドリンクの中でも群を抜いて美容&健康に強みを持つ、抹茶のさまざまな効果について解説していただきました。続いて健康医療ジャーナリストの西沢邦浩さんは、抹茶が老化予防や腸活にも有効だと指摘しています。◀◀◀「昨日の夜何食べた?」すぐ出てこない人は要注意。40・50代でも認知症の一歩手前「軽度認知障害(MCI)」かも。認知症になる人とならない人の違いとは【筑波大学医学医療系教授が解説】▶抹茶は骨や動脈の健康維持に役立つ!<!--nextpage-->緑茶と抹茶はどう違う?日光を遮断して作る抹茶には、旨みがギッシリ!目に良い栄養素も「普段から緑茶は飲むけれど、抹茶を飲む習慣がない人は多いかもしれません。まずは、緑茶と抹茶の違いから説明しましょう。日本で生産されるお茶は、ほとんどが緑茶です。製法によって、玉露、煎茶、番茶、焙じ茶、抹茶などに分かれるのです。一般的に緑茶は日光を存分に浴びせて育った茶葉を蒸して、もみながら乾燥させます。一方、抹茶は、茶葉を摘む前に藁や黒いシートなどを20日間ほど被せて日光を遮断。その上で蒸して乾燥させ、石臼で細かく挽いて粉末状にしています。緑茶には、カテキンをはじめ、テアニン、ビタミンC、ミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。抹茶には、これらに加えてテアニンが多く含まれているのが特徴。抹茶の主な成分は、『テアニン』『カテキン』で、テアニンは旨み、カテキンは渋みのカギといわれています。茶葉は日光を浴びると、テアニンがカテキンに変化します。抹茶は日光を遮ることで茶葉の色が濃くなり、カテキンの生成が抑えられると同時に、テアニンが増えるのです。また、粉末にした抹茶は茶葉の栄養素をそのまま摂取できるのも大きなメリット。緑茶には多くは含まれない「ルテイン」(目に良いとされる栄養素)や「ビタミンK」(骨や動脈の健康維持に役立つ栄養素)も効率良くとることができます。カテキンは聞き馴染みがあると思いますが、テアニンはよく知らない人が多いかもしれません。テアニンは、緑茶にしか含まれていないと言われるくらい特有のアミノ酸で、まさに旨みのカギ。抹茶はテアニンが多いことで苦みや渋みが和らぐので、旨みが強く感じられるのです」(株式会社伊藤園研究所 担当部長の瀧原孝宣さん)▶海外では抹茶の健康効果に注目<!--nextpage-->世界的に注目される「抹茶」。「嗜好品」というだけでなく、真の実力は「健康」にあった!「日本人にとって、抹茶は『伝統的なもの』『フレーバーの一種』というイメージがあります。しかし海外では『健康に良い』という印象が強く、海外輸出額を押し上げる一因になっています。また、海外からの抹茶人気などが影響し、ここ10年くらいから、日本のお茶業界でも『抹茶と健康』の研究を推し進める流れがきています。そこで伊藤園でも、抹茶には早くから注目していました。株式会社MCBI、国立学校法人筑波大学、医療法人社団創知会メモリークリニックとりでとの共同研究により、認知症の前段階であるMCIなどについて、抹茶と認知機能に関する研究を進めています。その結果、抹茶を継続的に摂ると、認知機能の改善と睡眠の質が向上する可能性があることが分かったのです」(株式会社伊藤園研究所 担当部長の瀧原孝宣さん)▶ストレス緩和、睡眠の質改善、体脂肪低下、さらには…<!--nextpage-->抹茶に含まれる「テアニン」「カテキン」。ストレスを緩和し、睡眠の質も改善、体脂肪まで低下。注意力や判断力もアップ!「抹茶の重要な成分はテアニンとカテキンと説明しましたが、研究の結果、それぞれに以下の効果が認められています。テアニン……ストレス緩和や睡眠の質改善カテキン……血中LDLコレステロールの低下や体脂肪の低下それだけではなく、テアニンとカテキンの両方に、ワーキングメモリーの改善効果が見られました。また、中高齢者を対象に抹茶を1日2gずつ12週間、継続摂取した効果として、『注意力』『判断力』の精度を高める可能性があることも分かったのです。さらに、難聴やうつ病といったコミュニケーション障害につながる可能性のある症状に対しても、抹茶の抗酸化作用や抗炎症作用が有効なのではと推測されています」(株式会社伊藤園研究所 担当部長の瀧原孝宣さん)▶▶▶「認知機能向上にコミュニケーション力アップ!?更年期世代にうれしい老化抑制ビタミンも!?いいことしかない抹茶のすごい力とは」【解説】株式会社伊藤園研究所 担当部長 瀧原孝宣さん1988年大阪府立大学農学部卒業、伊藤園入社、中央研究所に配属。専門分野は、植物生理学、食品工学、健康心理学で、チャの水耕栽培および細胞培養による有用物質の生産、茶カテキンによる口腔衛生に関する研究等、茶成分の新分野利用研究に従事。2009年開発部に異動し、機能性飲料、サプリメント、フード系飲料、炭酸飲料、水素飲料等の製品および製造技術開発などの新商品開発に従事。2017年中央研究所に異動し、茶等の機能性研究を統括し、茶成分の機能性表示食品化と、抹茶・茶成分の認知機能への影響に関する研究を推進し、2023年から中央研究所長を務める。2024年10月より現職。 株式会社サルタ・プレス代表取締役(日経BP 総合研究所メディカル・ヘルスラボ客員研究員) 西沢邦浩さん早稲田大学卒業後、小学館を経て日経BP社に入社。『日経ヘルス』の創刊と同時に副編集長に就任し、その後編集長を務めた。2008年には『日経ヘルス プルミエ』を創刊し、編集長に。2016年に日経BP総研マーケティング戦略研究所主席研究員となる。2018年3月に日経BPを退社し、同社総合研究所客員研究員に。同年、株式会社サルタ・プレスを設立。現在は、同志社大学生命医科学部委嘱講師、公益財団法人日本腎臓財団評議員、一般社団法人日本ガットフレイル会議エグゼクティブ・アドバイザー、一般社団法人発酵性食物繊維普及プロジェクト事務局長などを務める。

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