*TOP画像/秀次(山田涼介)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK戦国時代のど真ん中を舞台にした『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の主人公は仲野太賀が演じる豊臣秀長。兄弟の絆で“天下統一”という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡を描いた大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の第37話が9月27日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。“夢を叶えた男” 正勝の死本回は、秀吉(池松壮亮)と秀長(仲野太賀)が自国を天守閣から見渡し、達成感と喜びに浸る場面で幕が開きました。秀長は「我らが目指すは 天下一統!」「殿下一統でござる~!」と高らかにさけんでいました。秀吉は四国、北国の平定を終えたのに伴い、畿内近国の領地分配を実施。「四国での軍功 比類なし」と述べ、蜂須賀正勝(高橋努)に阿波一国を授ける意向を伝えました。しかし、正勝は「この正勝 謹んで…お断り申し上げる」「されど それは どうか せがれの家政にお与えくだされ」と、阿波を息子に授けてほしいと懇願しました。正勝(高橋努) 秀吉(池松壮亮)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHKというのも、正勝は酒を飲んでいる最中に手に激痛が走り、豆茶碗を落とすほど体調が優れなかったからです。前野長康(渋谷謙人)が正勝の腕の激痛を心配し、「そんなに悪いのか?」と尋ねると、正勝は「い~や 大事ないわ。大事ないが 近頃 古傷が よう痛んでのう」と、周囲に心配をかけまいと気をまわせつつも、昨今の不調を打ち明けていました。秀吉に出会う前、正勝と長康は負け戦が続き、「疫病神」と疎まれ、おとりに利用されるなど屈辱的な経験も重ねてきました。そんな二人でしたが、秀吉に「軍神」として大きく貢献し、城持ちの大名となりました。正勝の当初の夢は城持ちになることでしたが、秀吉に約束どおり城を与えられた後は、秀吉と秀長の夢をかなえることが、彼自身の新たな夢となりました。正勝は志半ばでこの世を去ったようにも見えますが、日の本を駆けまわり、さまざまな景色を見た彼の人生は充実したものでした。正勝(高橋努) 長康(渋谷謙人) ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK史実では、蜂須賀正勝は60歳で病没。正勝は川並衆(水運業者)を率いる土豪でしたが、墨俣城の築城をきっかけに秀吉に仕えるようになります。秀吉の家臣のなかでも古参で、厚い信頼を得ていました。息子に阿波が与えられるのを見届けたのち、この世を去りました。大和の国主・秀長。欲にまみれた寺社に勇敢に立ち向かう第37回のタイトルは「秀長の国」。秀長は秀吉から大和を授かり、大和の国主となりました。「これからは ここ大和が 我らの新しき国じゃ。皆で力を合わせて よき国をつくろうではないか!」と家臣に呼びかけていました。そうはいっても、大和は坊主や神主が力を振るい、独自の法が支配するやっかいな国。秀長は「奈良に都があった昔から 綿々と続いた 古き枠組みを打ち壊し 再生させるのじゃ」と秀吉に誓い、改革に乗り出します。盤覚(坂口涼太郎)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK大和で実権を握っていたのは、興福寺一乗院の坊官・盤覚(坂口涼太郎)。新国主に金を贈り権力を黙認させるのを常とし、秀長にも同じ手を用いました。「どうか これからも 筒井殿の時と 変わらぬおつきあいのほどを お願い申し上げまする」と差し出す金を、秀長は「それはなりますまい」と一蹴。さらに、「興福寺には手に余るほどの所領がおありのようじゃな。これでは 全ての年貢が寺へと流れ 一国の仕置も立ちゆかなくなりまする。[中略]興福寺をはじめとする諸寺の方々には 安んじて 仏道に専念していただきたく」と、自身の方針を説明しました。寺が百姓から過剰な年貢を取り立てていた事実は、秀長と慶(吉岡里帆)の娘・末(池端杏慈)が用意したおにぎりからも発覚しました。慶(吉岡里帆) 末(池端杏慈)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK末はおにぎりの味の悪さに責任を感じたのか、庄屋・石川清兵衛(伊藤健太郎)のもとを訪れ、米を見せてほしいとやや強引に頼み込んでいました。本回が初登場となる末は、秀長と秀吉の血縁らしく行動力にあふれ、常識にとらわれない性格。気になることがあれば、自ら足を運ぶアクティブさを持っています。末と清兵衛が話し合いをしているところに、秀長が現れました。秀長は「わしは こたび国主となった 羽柴美濃守じゃ」と丁寧に名乗るや、娘の無礼を詫びます。そして米を見て、「もしや 無理に詰めて苗を植えておるのか?」「そのせいで 肥やしが行き届かず 育ちが悪くなってしもうたのじゃな」と、原因を即座に見抜きました。秀長(仲野太賀) 末(池端杏慈)ほか 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK秀長は清兵衛の手を取り、「一生懸命に 田を耕す者の立派な手じゃ」「はあ~。なのに 米が足りておらんのか」と嘆いてもいました。石川清兵衛(伊藤健太郎) 秀長(仲野太賀) 大河ドラマ『豊臣兄弟!』37話(9月27日放送)より(C)NHK秀長もかつては百姓として、田を耕し米を作る日々を送っていました。清兵衛をはじめとする百姓たちは、秀長にとってかつての自分の姿を思い起こさせる存在です。秀長はこの問題を解決するため、検地を進めようとするも、清兵衛と百姓らは仏罰を恐れ、反対します。秀長の家臣・小堀正次(萩原護)が検地に着手した矢先、正次が賊に襲われる騒ぎが起き、百姓の恐怖心はさらに掻き立てられました。秀長が突き止めたように、それは仏罰ではなく、盤覚が権威を示し、百姓を押さえつけるために仕組んだものだったのです。盤覚は百姓を騙していた事実を暴かれても、強気な姿勢を貫き通します。秀長は「なら その罰は この秀長が一切を引き受けよう」と力強く宣言し、民の不安を払拭します。トップとして民の苦しみを真の意味で理解し、かれらを一身に守り、安心感をも与える——その姿に真の統治者としての適性が感じられました。【史実解説】“権力”と“財力”を保持した寺社史実でも、戦国時代の人たちは信心深く、仏罰を恐れていました。一方、寺社は金と武力にまみれており、国内の資産の大半を所有していたともいわれています。寺社の中には、貸金業を営み、高い金利(年利48~72%)で百姓を苦しめたり、“金を返さないと、仏罰がくだるぞ!”と脅したりする寺社もありました。さらに本回でも、盤覚は国主である秀長に強気でしたが、大名に対抗できる武力を所有する寺社も少なくなかったといわれています。そのほかにも、朝廷に銭を献上し、権力者に根回しを行ったり、生活必需品の流通を独占したりと、清廉潔白とはかけ離れた言動を平気で行う僧侶もいました。つづく>>えっ!刀狩りも太閤検地も豊臣秀吉の独創じゃないの!?史実からみる「豊臣秀長は有能で善人」説の真相 では、SNSなどで活躍ぶりが今一つ分かりにくいといった声もあがっている主人公「豊臣秀長」の功績についてお届けします。<参考資料>小和田哲男(監修)『戦国 経済の作法』ジー・ビー、2020年
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