早大、戦後80年「学問の独立」

コメポ

【夏休み2025】早大、戦後80年「学問の独立」問いなおす展覧会

 戦後80年を迎えた2025年、早稲田大学歴史館は戦争と学問の独立をテーマにした展覧会を2025年7月4日から8月31日まで開催する。入場料は無料、事前予約不要で観覧できる。



 戦争を経験した世代が少なくなる中、若い世代にとって戦争はますます「遠い出来事」となりつつある。自校史の授業で戦時下の状況を学んだ学生たちからは、「もし自分がそのような状況に置かれたら、何も考えられなくなると思う」「現在の平和に感謝したい」といった声が聞かれ、戦争をどこか現実感の薄いものとして受け止める傾向もみられるという。しかし近年、ウクライナやガザ地区で繰り返されている悲劇は、戦争が過去の出来事ではなく、今なお私たちの世界で起きていることを強く示している。



 80年前の戦争において、早稲田大学は大きな人的・物的な被害を受けた一方、戦争に協力せざるを得なかった面も少なからず存在した。「学問の独立」を建学の精神とする同大学は、学問の府として戦争や権力とどのように向き合うべきかを常に問い続け、かつての経験や教訓を次の世代に語り継ぐ責務があると捉えている。



 早稲田大学歴史館、およびその前身の大学史資料センターでは、2013年、2015年、2023年にも戦争に関する展覧会を開催。これまでは「学徒出陣」を中心に、戦中・敗戦までの内容をおもに取り上げてきた。しかし、戦争は「8月15日」をもって終わったわけではなく、戦争の影響はその後も続き、大学の「戦後史」を規定した側面もある。加えて、現在、早稲田大学歴史館では、「早稲田大学百五十年史」第2巻(戦後編)の編纂が行われており、資料の収集や執筆が進められているという。



 展覧会では、年史事業の成果を活用しつつ、「学問の独立」の理念および実態が、戦時下においてどのように失われ、また戦後においてどのように再提起されたのかを辿っていく。展示を通して、戦争に向き合った先人たちの姿を、次の世代にどうつないでいくかを考える機会を提供する。



◆「早稲田大学百五十年史」編纂事業関連展シリーズ「学問の独立」を問いなおす

会期:2025年7月4日(金)~8月31日(日)

休館日:水曜日、2025年8月7日(木)~17日(日)

※8月20日(水)、27日(水)は開館

開館時間:10:00~17:00

会場:早稲田大学歴史館企画展示室(東京都新宿区西早稲田1-6-1:早稲田キャンパス1号館1階)

入場:無料

申込み:不要

吹野准

お上の言うままに従ってばかりいたら大隈重信先生が泣くってもんだ。
雨の降る中学徒出陣式の時は、母の女学校もお見送りで球場に居たそうです。傘をさせずに制服がずぶ濡れで行進する方も見送る方も大変だったと言ってましたね。そして、この学徒出陣で戦地に行った学生さんの殆どは生きて帰って来なかったとも言ってました。あの大戦で日本は貴重な人材を悉く失ったんです。軍部の意地の張り合いで将来有望な人材をたやすく手放したんですよね。
page top